映画『モテキ』 地味だけど好きなシーン
映画『モテキ』のこのシーン地味な気がするが、めちゃ好きだったなということを書いていきたいと思う。
伝わる人は頷いて、伝わらない人はTSUTAYAかアマプラで観てください。
主人公フジ(森山未來)がヒロインのるみ子(麻生久美子)のカラオケを聴いて、勇気づけられる。
明け方カラオケボックスを出たフジが、酔っ払い、呂律も怪しい状態で、るみ子に抱きつきながら
「マジで最高だった!」「俺も頑張るから、だからるみ子もガンバレ!」
と感謝と応援の言葉を贈るシーンがある。そのシーンが凄く好きだ。
実際、泥酔しているフジは多分、その言葉を言ったことすら覚えていないだろう。
アルコールと、当時の彼の恋愛の惨状、その場での昂ぶりが噛み合った結果が、るみ子に贈った言葉につながるのだと思う。そして、るみ子への応援の気持ちよりも自分自身に対する鼓舞としての役割が非常に大きい。
よく聞いてみると実に利己的な意思の塊である言葉だが、るみ子はこれにグッときてしまう。フジに対する恋愛感情が強まっていったのも恐らくこのシーンだと思う。
これがすごくいいなと思った。
込められた気持ちやら、その背景やら、そんなものはお構いなしに受け取られてしまうのが言葉だということである。ぽつりと呟いたひとことが、誰かの頭の中に一生残るなんてことは無数にある。何気なく言った言葉が、他人に影響を与えてしまうことがある。
言葉に潜む無意識と、それによって生じる波紋が思われる。
このシーンを観ると、そんなことを考えてしみじみとしてしまうのだ。
映画『モテキ』の地味だけど好きなシーンでした。
派手だけど好きなシーンはOP。
フジファブリックの『夜明けのビート』が流れる中で、法被着たヒロイン4人が神輿を担ぐ映像。長澤まさみ、麻生久美子、仲里依紗、真木よう子を贅沢に使いすぎてる。
特に真木よう子が手でハートを作る一瞬には、文化勲章を贈りたくなる。真木よう子が手でハート作るだけの映像は無限に観ていられる気がする。マジで美。