小麦粉惑星

誰かいつもマーガリン潰してる。

「邦ロック30秒動画」があったころ

皆さんは覚えているだろうか。

4~5年前Twitterで流行っていた「邦ロック30秒動画」みたいなアカウントを。

その名の通り、日本のロックバンドのMVを30秒くらいの切り抜き動画にして、アップしていたアカウントである。私と同年代の人なら何となく覚えているかもしれない。

私も今日久しぶりにその存在を思い出して、ブログに書きたくなってしまった。

今思うと、あのアカウントたちがやっていたことはだめだったのだと思う。リンクを貼ったり、許可を得ていたアカウントも中にはあったかもしれないが、基本的に無断転載だったと思うので、これらの存在を肯定する気はない。しかし、高校時代ああいったアカウントのおかげで知ることができた音楽があったなとも思うのである。

当時から、気になった音楽や作品にはお金を出すようにしていたが、気になるまでのきっかけをあのアカウントたちが多少なりとも作ってくれていたように思う。

「この人、こういう音楽好きなんだ」とか「RTで回ってきたこの曲いいな」とかそんなちいさな感動があった。そのリンクを辿って、フル尺のMVを再生する。そんなことがたくさんあった。あの時再生した中には、今でも聴くアーティストの曲もある。

サビだけを、盛り上がる30秒だけを切り取ったあの動画の形式は、当時の私にはキラキラしたものに感じられた。知らないものに触れるのが楽しかった。

話は少し変わるが、私はTwitterのいいね欄を覗くのが好きだ。自分がちょっといいなって感じている人のいいね欄はすごく面白い。なんとなくその人の見てる世界を追体験してしている錯覚に陥って、それがなんとも心地いい。それに近いように思う、「邦ロック30秒bot」を面白がっていた理由と。

懐かしくなって、今日調べてみたがほとんどのアカウントは動いていなかった。

動画の権利の問題や、載せられる動画の時間が長くなったせいで飽きられてしまったなどいろいろな理由があるのだろうと勝手に想像している。

若者の流行り、ましてやネットの流行りなんてすぐに変わる。それはどうにもならないことだ。だから、そのとき感じた「よいもの」や「好き」を発信していかなければと思うのだ。等身大の「好き」を言わなくちゃいけないのだ。(人に迷惑をかける方法は当たり前だけど選んだらダメだが)

私は、いいなと思ったものをすぐに好きだと言ってしまう。音楽ならSpotifyのシェア機能で拡散する(会員でないひとも30秒聴ける仕組みが便利だとすごく思う)本だったらブログに書いたり、Twitterに感想を書いたりする。本当に便利な時代になったなと思う。

伝えるから繋がる、当たり前の営みなんだけどずっと無くならない。形を変えてずっと存在している。例えば、手紙、長電話、放課後のマクドナルドでのお喋り、漫画やCDの貸し借り。そんな手段で好きなものを自分から誰かに伝えてきたのだ。

自分の好きなものが、自分の周りの皆に受け入れられることは難しいかもしれない。いや、絶対無理だ。それでも発信していったほうがいいに決まっている。

あなたが好きなものが、誰かに伝わって、誰かにとっての何かになる。そんなことが起きたらいいななんて少し期待してもいいんじゃないかな。

 

プレイリストをシャッフル再生したら、懐かしい曲が流れてきた。高校の同級生がTwitterでふぁぼしてた曲。あんまり喋ったことはなかったけどさ、音楽の趣味は合いそうだと思ってたよ、もう喋る機会なんてないんだろうけど。仲良くなれそうだったな。